授業

*新型コロナウイルスの感染に伴う諸般の事情に鑑み、本年度の社会人受講
  生の募集を見送ることといたしました。

■2023年度前期 総合教養科目・比較文化

「「周縁」からの中国論」

私たちが今日「中国」と呼んでいる国は、1949 年に建国された北京を首都とする中華人民共和国です。この国は、政治面では中国共産党による一党支配体制をとっていることがよく知られています。しかし、その統治領域はユーラシア大陸の非常に広大な範囲に及び、その領域内には言語や文化を異にする様々な人々が暮らし、政府が認めただけでも 56 の民族に分かれています。また、中国共産党は今でこそ強大な権力を握っていますが、どのような統治が中国にとって望ましいかについては、これまで中国国内でも様々な議論がなされてきました。実は、中国が今のように一つにまとまっているのは、決して当たり前のことではないのです。

では、中国共産党や首都の北京を中心に据えずに中国、ひいてはユーラシア大陸を眺めてみたとき、いったいどのようなイメージが浮かび上がるでしょうか。この講義では、歴史学、言語学、文学、政治学といった様々な角度からこの問題にアプローチしてみたいと思います。たとえば、現在の中国の人口の大半は漢民族が占めていますが、中央ユーラシアに暮らす漢民族ではない人々はどのような歴史を歩んできたのでしょうか。チベットの言語や文化は漢民族の文化とどれだけ違うのでしょうか。中国共産党は強くまとまりのある国を作るために、これまで誰をどのように批判し、誰からどのような批判を受けてきたのでしょうか。中華人民共和国は第二次世界大戦後の冷戦期に内戦を経て建国されましたが、そのとき前体制の中華民国はどうなってしまったのでしょうか。この講義では、これらの疑問について考える手がかりを示していく予定です。

内容(仮題)

イントロダクション
家永真幸(コーディネーター)、赤木崇敏、大橋義武
中央ユーラシアの歴史と中国 1,2
赤木崇敏
オンデマンド課題
家永真幸、赤木崇敏、海老原志穂、大橋義武
中央ユーラシアの歴史と中国 3
赤木崇敏 
チベットの言語・文化と中国 1,2,3
海老原志穂 
“反体制”の思想と中国 1,2,3
大橋義武
台湾をめぐる国際政治と中国 1,2,3
家永真幸
まとめ
家永真幸、赤木崇敏、大橋義武


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