本講演では,特にザイフェルト曲面の alteration に着目する.ザイフェルト曲面については,例えば次のようなことが知られている:
・最小種数を実現していないが,圧縮不可能であるようなものが存在する
・最小種数まで圧縮可能であるが,その圧縮円板を「同時に」選ぶことができないものが存在する(つまり,一度圧縮を行わないと,次の圧縮円板が見つからない場合がある)
この状況と対比して,本講演では,次が成り立つことを紹介する:
S, T を同じ絡み目に対するザイフェルト曲面とする.このとき,S に対して互いに交わらない altering surfaces が「同時に」存在して,それらに沿って S を alteration すると T が得られる.
一般に,与えられたザイフェルト曲面に対して,その altering surface を見つけることは困難である.本講演では,altering surface を見つけるための方策の一つとして,標準的ザイフェルト曲面の altering surface に対して成立する,代数的な制約についても言及する.