ゼミの内容について


結び目理論についてゼミをおこなう。
 
 

結び目理論とは

トポロジー(位相幾何学)とは図形や空間の連続的に変形しても変わらない性質を研究する分野である。結び目理論はトポロジーの一分野であり、実際に「結び目」や「絡み目」と呼ばれるものを分類するのが目的である。3次元空間で紐を使って結び目を作ってみる。しかし連続的に変形するとまっすぐな紐にもどってしまう。そこで 紐で結び目を作ったのちにその紐の両端をくっ付けて丸くしたものを改めて「結び目」と呼び、2本以上の丸い紐を「絡み目」と呼ぶ。この「結び目」「絡み目」を数学的に分類することを考える。実際には 同値な結び目に対して 同じ数学的な値をとる関数(結び目不変量と呼ばれる)について研究することになる。対偶を考えて、結び目不変量の値が異なれば結び目が異なることが結論でき、分類が可能になるのである。幾何学の研究対象として多様体があり、任意の3次元多様体は「結び目」や「絡み目」から構成することができる。「結び目」の分類が多様体の分類につながるので、トポロジーの重要な一分野となっている。更に 最近統計力学や生物のDNAなどとの関連が指摘され、現在 著しく研究がすすんでいる分野のひとつである。


ゼミにおいては、

毎週1人あるいは2人がテキストに沿って発表を行う。テキストの内容を分かりやすく説明し、演習問題も解いていく。自ら解説することで、理解を深め数学を身に付けていくことが目的である。特に大切なことは、結び目の図を描いて納得するまで考えることである。3次元にすんでいても、3次元がイメージできない場合が多い。空間内の図形を実際に描くことで、空間のイメージをとらえることができるようになる。テキストは相談の上決めるが、2020年度は 「結び目理論とその応用」村杉邦男著、日本評論社を使用。