量子力学では遠心力によるとは考えません。量子力学に特徴的な「ハイゼンベルクの不確定性関係」によると考える方が適切です。導体内の電子については、「金属電子論」で調べて頂くと良いのですが、少々専門的な話になるかも知れません。単純化して言うと、原子核からの束縛が弱い価電子が、原子核の間を渡り歩くと考えると良いです。原子核の近傍には内殻電子と呼ばれる不活性な電子があり、これは上記の不確定性によって原子核には落ち込まず、原子核の近傍に分布して原子核の正電荷を部分的に中和します。その上、内殻電子と価電子は負電荷同士で反発するので、価電子は原子に緩く束縛されると見ることができます。
原子核の崩壊は、標準的な計算化学の守備範囲外ですので残念ながらよく知りません。原子核物理学の分野では研究されているのではないかと思います。機会を見つけて専門家に聞いてみます。
以下は、講義内で一通り回答しましたが、私にとっても有益な質問が多かったので、復習も兼ねて掲載します。 (科学的な内容に関するものに限りました。)